昨日、夕方、隣のカジェのSさんと歯医者に行った。
以前、インプラントの治療をしてもらった「歯医者」さんとは連絡が取れないので、ほかの大手
の「歯科医院」をSさんが見つけてきたので、そこへ連れて行ってもらったのである。
診察をしてもらうと、インプラントをしてもらった横の歯が折れていた。
先生曰く「これは次回抜くしかない」「そして、3ヶ月後にインプラントをする」。
次回とは、来週の火曜日。
なぜか自身の予約はせずに、僕の予約だけをしてくれていたSさんも、僕の処置を確認した
あと、ついでに診てもらい予約を入れた。
帰途、薬局で、歯科医院でもらった処方箋で「抗生物質」を買った。
悩みは、インプラントの施術のために今から半年間、グラナダに滞在していなくてはならない
ということだ。
そろそろ、旅に出たいのと思っていたので、その半年の拘束期間が苦痛である。
この間、酒を飲むと歯が痛むので、断酒していた。
5日間!
断酒の成果だが、こんな短期間だが、なんと体重が2キロ以上も落ちていたのである。
酒ってそんなにカロリーが高いのか?
そう思っていろいろと調べたら、酒のカロリーが高いのではなくて、酒を飲むと肴をよくつまむ
から太るのだそうである。
なんだ、そういうことか!
平野啓一郎「日蝕」をようやく読み終えた。
kindle版で買った本だが、長い間、ほったらかしになっていた。
何しろ、漢字がやたら多くて、読みづらかったからだ。
それでも、筆者のツイッターでの発言などを知り、読んでみる気になった。
ところが、始めると、やはりなかなか読み進むことができなかった。
勢いがついて読めたのは、やはりピエールのあとをつけて森の洞窟へ入ったあたりからだった。
あらすじ
1482年のフランス南部、神学僧であったニコラはトマス主義に傾倒してキリスト教と異教の古代哲学の融合を志し、『ヘルメス選集』の完本を求めてパリからリヨンへと赴く。ニコラはリヨンで目的を達成することができず、司教からフィレンツェへ行くように勧められるが、その際に、ヴィエンヌの教区にある村落で研究を続けている錬金術師に相談を持ちかけるよう助言される。
村落に到着したニコラは村の司祭ユスタスから、錬金術師ピエェル・デュファイの居場所を教えられる。酒場を兼ねた宿屋に宿泊することとなったニコラは、村全体が幾何学模様を描くように作られていることに興味を示すが、その際にピエェルらしき人物を目撃する。宿の主からはピエェルに会わないよう忠告されつつも、ニコラは錬金術の工房となっているピエェルの家を訪れ、その書棚にあった目的の書物『ヘルメス選集』を目にする。ニコラはピエェルから、5日後にここに来るよう告げられ宿へと帰されるが、その帰路で村の鍛冶屋でありピエェルの崇拝者であるギョオムと顔見知りになり、その夜の宿の酒場ではギョオムの妻と司祭ユスタスが過去に姦通して不義の子を産んだという醜聞を耳にする。後日、ニコラは堕落した村人たちの教化を行なっている修道僧ジャック・ミカエリスの訪問を受ける。異端審問官でもあるジャックはピエェルについて調査を進めていた。
再びピエェルの元を訪れたニコラは、錬金術師たちが追い求める物質「賢者の石」についての談義を聞かされ、自分が求める神への信仰と異端の思想の融合を見いだすもののその内容に疑念を感じ、異端の存在を憎んでいるジャックのことを思い出して複雑な思いを浮かべる。やがてニコラはピエェルの家に通って蔵書を読むことを許可され思索を深めるが、ピエェルが悪魔が出現すると噂される森に毎日通っていることに対して不信感を抱く。ニコラは密かにピエェルを尾行し、森の中にある洞窟へと足を踏み入れ、その中で黄金色に発光する両性具有者を目撃する。神とも悪魔とも、錬金術の人造人間ホムンクルスともつかない全裸の両性具有者に対し、ピエェルがその乳房、男性器、女性器にうやうやしく接吻する姿をのぞき見たニコラは、ジャックから聞かされていた魔女のサバトの儀式を連想し、その場を逃げ出す。この日の出来事を境に村人の間で、夕方の西空に雲よりも背の高い巨人の男女が現れ、後背位で性交に耽る姿を見たという者が現れ始める。更に村は聖アントニウスの火の病と呼ばれる奇病や、冷害、豪雨といった天災にも悩まされるようになり、人々の心もすさんでいく。ジャックは一連の出来事を魔女の妖術によるものであると扇動し、村人を魔女狩りに焚きつける。ニコラはピエェルを案じるが、ジャックが捕らえたのは、洞窟から村へと迷い出てきた両性具有者であった。
その後巨人が目撃されることはなくなったが、村の災厄は続き、両性具有者は魔女裁判を通して火刑に処せられることが決まる。村人たちは刑場に引きずり出された両性具有者に石を投げつけるが、その左右で色の異なる瞳が見開かれ、傷つけられた肉体から神々しい芳香が立ち昇るのを前にすると動揺する。処刑が始まっても両性具有者は泣きも叫びもしなかったが、身を焼かれ始めるとけいれんを始め、すると突然に空は暗くなって皆既日食が始まり、同時に男女の巨人が再び現れ、村人たちが恐れ慄く前で性交を始める。両性具有者は身を焼かれつつも男性器を勃起させ、虹を描きながら膣外射精された精液を自らの女性器で受け止める。その姿を見たニコラは両性具有者と霊的に共感し、宇宙との神秘的な合一を体験する。
両性具有者は骨も残さず消滅するが、進み出たピエェルは灰の中から赤みを帯びた金塊のような物質を拾い上げ、それをとがめたジャックに捕らえられる。ニコラはジャックの勧めで逃げるように村を去り、本来の目的地であるフィレンツェへと向かう。後年になってニコラは神学者として成功を収めるが、同時に虚しくもなる。ニコラは後になって、ピエェルの存在をジャックに密告したのがギョオムであったという真相を知らされる。ニコラは読者に対して、最近になって錬金術の研究を始めたことや、両性具有者が焼かれる瞬間に垣間見た金属の輝きのこと、かつては両性具有者の正体がイエス・キリストの再臨であった可能性に思いを巡らしたことなどを語り、物語を締めくくる。
締めくくりにマルティン・ルターを想起させるアントニウス会の僧侶を登場させていることで、
「宗教改革」の大きなうねりを示している。
ところで、この作者が本当に言いたかったことは何か?ということになると、ジジイにはよく
わからない。
あえていえば、中世ヨーロッパの堕落したキリスト教支配と、その支配に抵抗してでも真実を
見極めたい人=錬金術士と、その間で揺れる人の心の葛藤を描きたかったとでもいう
のだろうか?
そんな陳腐な解釈ではあきまへん!って言われそうだ。(笑)